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さくらんのJINのレビュー・感想・評価

さくらん(2007年製作の映画)
3.5
「声は出すんやねえ、漏らすんだ」

この言葉を聞いて確かにそうやなあって思った(笑)
こうすれば男が喜ぶってことなんやけどね。

監督は蜷川実花。
原作は安野モヨコの漫画やけど、それは読んだことないんでどんな感じなのかは知らない。
この映画の評判はそんなに芳しくなかったんで、あまり期待してなかった。
全体的な印象としてはさすが蜷川実花が作っただけあって、とにかく色鮮やか!
特に「赤」の色使いが印象的。
それと全体を流れる椎名林檎の音楽が素晴らしい!
これだけでもちょっと洒落た感じの映画にはなってた。
ただ、どうもトーンがライト過ぎるきらいはあったね。
遊女を扱ってるからといって今までの日本映画のようにドロドロ感を前面に押し出さないといけないっていう必要性はないけど、説得力が無い。
出演者の演技っていう点に関してもそれほどみなほめられるべきところがなく…。
全体的にあまり心情の深みみたいなものが見えてこなかったのは残念。
演出もちょっと綺麗すぎて上辺をなぞってるようなシーンも多かったしね。

ただそれでも思いのほか菅野美穂や木村佳乃のように濡れ場を頑張ってた人達もいた。
どちらかと言うとこれまで清純派の役が多かった人達が、こうゆうおもいきったシーンに挑戦したことは評価に値するかと。
それでも確かに新鮮味はあるものの、濡れ場としての説得力としては従来の映画より格が落ちるように感じる。

この映画の肝としては「遊女の恋」ってことになると思うけど、それによってついてまわる苦しみや哀しみがどうゆうベクトルを向いていくのか?ってことに注目して見て行けば楽しめるかと思う。
郭の中の遊女と、ビロードの中の金魚との対比がうまく使われてた。
この映画が好きか嫌いかと聞かれれば、個人的には好きやけどね。
そしてたぶん男性よりも圧倒的に女性にウケる映画のような気はする。

そういえばキャストの中に小栗旬の名前もあったんやけど、最初一体どこに出演してたのかサッパリわからなかった。
小栗旬のヅラ姿を見たい人もどうぞ(笑)
JIN

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