FumiyaIwashina

ジョゼと虎と魚たちのFumiyaIwashinaのレビュー・感想・評価

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)
3.6
大学4回生の恒夫と下半身不随のジョゼ。ジョゼはおばあちゃんと二人で古い平屋に住んでおり、世間体を気にして、早朝に乳母車でしか外へ行かせてもらえなかったが、ある日、恒夫に助けられ、ジョゼの手料理を気に入った恒夫はその後も訪れるようになる。
とにかく池脇千鶴がかわいかった。ゆっくりしゃべる関西弁が拙い感じもしたけど、それもまた魅力だった。
本をたくさん読んで、その知識を教えるジョゼと外の世界のことを教える恒夫との補完性もぴったり。最後は現在の価値観で考えると呆気なさ過ぎるけど、当時の感覚とかで考えるとお互いの気持ちもよくわかるような気がする。
最初は不気味な雰囲気があり、その後で障害のある人の話だとわかるが、後半は完全に感情移入してラブ・ストーリーとして観てた。
途中、恒夫にずっとそばにおってと言っていたジョゼが欲張らずに相手の幸せも考えていたと思うとしおらしくて、よりいっそう愛らしく感じる。その一方で、無責任とも言える恒夫にも共感できて、何とも言えない余韻が残る作品だった。