群青

老人Zの群青のレビュー・感想・評価

老人Z(1991年製作の映画)
3.5
いつかテレビで見た個人的名作!80分でサクッと見れるし何より面白すぎる!


まずストーリーは介護が必要になったおじいちゃん最新鋭の介護ベッドが開発され、そのベッドは寝たままで食事、入浴、娯楽、全てが可能だった。さらにあらゆる脅威に対応するため成長するAIが備え付けられていた。しかしおじいちゃんはそのベッドに抵抗しており、意識はいつしかのおばあちゃんとの思い出の中だった。その彼の希望とはおばあちゃんとの思い出の地、由比ヶ浜に行くことだった。


おじいちゃんが動けないままベッドに横になり、ベッドは由比ヶ浜目指して爆走するため、その絵面がまず爆笑。そしておじいちゃんを連れて行くベッドのAIはおばあちゃんの声を模している。なのであらまぁ。おじいちゃん、行きますよみたいな言い方ででガションガション街を壊す。このギャップにさらに大爆笑。特に知らず知らずの内にモノレールを爆走しているところは笑いが止まらない。向こうからモノレール本体が⁉︎どうなる⁉︎と思ってたら、手のようなクレーンのようななんかでガションガション避ける。乗ってるのおじいちゃんなのにwww意識はほとんどないのにwww

ことの発端になるのはこのおじいちゃんがボランティア看護で彼の担当氏をしていた晴子さんに助けを求めたため。このもう一人の主人公晴子さんもいいキャラしてる。芯があって看護は人がおこなって初めて看護になると豪語する。


今はどうなんだろうな。低賃金で激務。何より精神的負担の大きい介護という仕事。今の世の中、どれだけの人がそういった熱意を持って仕事をしているのだろうか。
最新式の介護ベッドは本人が介在する余地すら奪うシロモノ。本当の意味に老人を寝たきりに追いやるもの。ここら辺は皮肉なんだろうなぁ。

介護ベッドを推し進めるおっさんもただの利権欲しさではなく厚生について真摯に考えている憎めない人だった。

何にしてもオススメです!
群青

群青