しんご

トゥルーライズのしんごのレビュー・感想・評価

トゥルーライズ(1994年製作の映画)
4.0
ジェームズ・キャメロン監督とシュワルツェネッガーのコンビといえば「ターミネーター」を思い浮かべる人が大半で、本作は影が薄いけど個人的には大好きな作品。

表向きは平凡なセールスマンだが実は敏腕スパイというアクション映画の王道パターンは製作される度に飽きられて先細りしていく宿命なのに、本作はその王道をトレースしながらも役者の細かい芝居で面白さが細るどころか何倍にも膨らんでいる。

特に、奥さん役のジェイミー・リー・カーチスってやっぱ凄い役者さんだね。家のリフォームの追加料金を業者と寝たことで負けさせたって話を序盤で彼女はシュワちゃんにするんだけど、見た目から何から野暮ったさ全開なもんだから背伸びした嘘がミエミエ。シュワちゃんも「お前がそんなこと出来る訳ないだろ」的な感じでスルーして仕事へ笑。ジェイミーのキャラと彼女が日常に倦怠を覚えていることがよく分かる良シーンだと思う。

からの、後半のジェイミーの変貌は見事であのイモ臭そうな奥さんが観客の脳裏から完全に消えた。ホテルでシュワちゃんが奥さんのダンスを見ながらウォークマンを落とすシーンは彼女の劇的な変化への戸惑いを凄い細かく描写していた。

肝心のアクションも現実離れしていて面白いし、アクションに逐一入る会話にも洒落が効いている。

敵をマシンガンで全滅させたシュワちゃんにジェイミーが「夫はランボー?」と呟くシーンや、馬で犯人を追跡するこれまたシュワちゃんが「応援を頼む、馬が疲れてきた」って無線で言うシーンとか笑。これに対して「・・・馬?」って無線越しに首を傾げる同僚役のトム・アーノルドに爆笑。この人も凄く良い味だしてた。

ラストの「ぶっ飛べ」ではカタルシスマックス。大味と言われようが構わない、これこそが活劇だって感じの映画。
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