かつて一世風靡した老レスラーが、転落人生から這い上がろうとする物語。
物語が進むにつれ、彼の老いた身体はボロボロになっていく。周りの人間との付き合いもうまくいかず、挙句には愛娘から絶縁されるハメに。
しかし彼はあくまでプロレスラーとして、自分を応援してくれる観客のために、命を尽くすことを選択する。
不器用な生き方しか出来ない いつも自分本位になって、自分の周りの人間を傷つけてしまう 誰からも愛されない
それでも、自分が最高に輝ける場所を見つけ、そこで生涯を尽くす姿は、男としてめちゃくちゃ憧れを抱いてしまう…
最後の試合、彼の表情ひとつひとつが感慨深く、痺れるような格好良さと、哀愁を感じさせられた。
リングこそが自分の居場所であり、墓場である。最後の彼の覚悟の表情は、言葉には出来ない感動があった。