シュトルム凸映画鑑賞記録用改め

いちご白書のシュトルム凸映画鑑賞記録用改めのレビュー・感想・評価

いちご白書(1970年製作の映画)
3.5
まず、この作品は現在見る手段があまりなく、色々探した結果、TSUTAYA TVで見れることが分かり、ようやく試聴出来た。

ボート部に所属するノンポリの学生が、ある女の子(キム・ダービー)に惹かれて学生運動に身を投じ、段々とハマっていくという定番的なストーリー。キム・ダービーは可愛いですね。
日本の学生運動でもそうだが、取り締まる側の警官は殆ど高卒なのであって、学生運動という名の騒乱を見る目は複雑だろうなぁ…
運動に批判的な学生(字幕曰わく「体制派学生」とあるがそうだろうか?)からはアカ呼ばわりされ、そうではない、リベラル=自由主義者なんだと言っても、ゲバラや毛のポスターを貼りまくってる時点であまり説得力がない(笑)
少なくとも学長だかの言った、「赤いイチゴが好きな学生」には当たるんじゃないかな。赤という色ではなく、甘いイチゴが好きなのだとしても。
ただ、彼らがベトナム戦争に影響を及ぼしたのも事実であり、公民権運動との連帯による人種差別反対については否定できないのも事実。
結局はアイデンティティを求めてあがく若者の表現形式がこの時代においては、このような形を取ったということなのでしょう。
「いちご白書」はこれらを淡々と描き出すのに終始しているので、たとえ映画が学生運動側の視点から描かれるものであっても、学生運動に対して批判的な視座を獲得するのも容易である。その点は評価できる。