ちゃんちゃん焼き

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのちゃんちゃん焼きのレビュー・感想・評価

4.8
天才の苦悩を凡人はしらない。ものすごく頭のいいひとでも何か心に抱えるものがある場合もある。ウィルは心に何かを抱えたひとで、ある意味で普通の日常が送れない。そのために非凡な才能をうまく発揮できないでいる。そんな彼に接触した心理学者もまた心に寂しさを抱えた変わり者。そんなふたりが不器用ながら交流していく物語。
正直感動ものの映画は苦手ではあったけれど、ストーリーと役者の演技に惹かれてぐいぐい引き込まれていった。ウィルがすらすら難問を解いたり、現役の優秀な大学生をやりこめてしまうところは何とも気持ちがいい。それで一気にウィルに釘付けになる、そして好きになる。心理学者のショーンとのやりとりは圧巻。台詞劇のように畳み掛けるショーンの言葉が沁みた。そして友だちのチャッキー。彼がウィルのよき理解者で、彼の言葉にも泣かされた。
全体的に静かな映画だけれど、心が動かされる。本当にしみじみといい映画だった。マットとベンがこの若さでこの脚本を書き上げる才能もすごい。ガス・ヴァン・サント監督の映像のうまさも光っていた。
マットの脚本と監督の共同映画、最近プロミスト・ランドを観たけれどこちらも独特のひねりが効いた良作だった。