ちゃんちゃん焼き

わたしは最悪。のちゃんちゃん焼きのネタバレレビュー・内容・結末

わたしは最悪。(2021年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

何を見させられてる?という気持ちになった。序章の展開から、これは翻弄される女の子だなと思うとその通りに展開していく。医者、カウンセラー、カメラマン、どれも納得できずにやめ、何となく付き合いだした漫画家の彼氏やその家族とも気も合わず、30になってもどこかふわふわしていて、勝手に入ったパーティで知らない男との浮気。結局そっちが本命になって、彼と別れる。うーん、それでいいの?となるが、案の定途中から新しい彼ともうまくいかず。そのうち元カレの病気が発覚。今の彼と妊娠。自然流産。
最後の場面は悪くなかったけれど、後味はよろしくない。色々考えさせられたという意味では悪くない映画だったかも。

家族との場面でマンスプレイングじゃなくてウーマンスプレイングで話せ、という会話がある。男性が他者を見下したように話すこと、をしめす言葉だが、まさに彼女はウーマンスプレイングなところがあり、象徴的な言葉だった。下品なカートゥーン作家がフェミニストとラジオで対話するところも印象的。彼はどうして女性を侮辱したり、性的暴力の場面を描いてはいけないのか、アートだ、と言い、フェミニストは真っ向から反対し、議論が白熱する。それをスポーツジムのテレビ(実際ラジオ番組)で眺めるユリア。そんな議論も今の彼とすることはなく、どこか懐かしそうにみていたように思える。監督が描きたかったのはそういう男女の考え方の違いのようなものだったのか。解答はないから自分で考えるしかない。

補足
いずれにせよ、何人かに感想を聞くと大体同じ答えだし、何というか、別れる時の感覚や異性をいつのにかランク付けするような、こういう映画を観た共感覚が見られたことが興味深かった。
ダンスの場面、マジックマッシュルームを食べるところ、そして時が止まる場面は映像的に面白く、演技力のある役者揃いでかなり良質だと感じた。