ちゃんちゃん焼き

TAR/ターのちゃんちゃん焼きのネタバレレビュー・内容・結末

TAR/ター(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

見応えのあるよくできた映画だった。
これを意味不明で片付けるのはもったいない。頭を使って何が伏線か見極めないといけないとなると一瞬たりとも気が抜けない。
老害にならないように気をつけよ、感想のひとつがそれ。
そして、酷い虚構。自分を偽りながらの人生、本当につらかっただろう。本当の自分を大事に出来なければパートナーも大事にできないよね。ひとを蹴落とせば、蹴落とされるよね。因果応報だなと思った。
それでもやはり才能があるひとであることには変わりない。その才能は溢れんばかりに感じられた。
バッハで論破する場面、酷いと思いつつ、監督の鋭い現実への問いかけにも思えた。バッハの時代では当たり前だったことを現代の価値観だけで理解していいのか、というのは常に感じている。それを別の方法であの男の子に伝えられたらよかったのに。

いくつかの謎
最初にフランチェスカとライブチャットしてた人物→可能性としてはオルガかクリスタ。後にオルガがニューヨークでのリディアの出版記念のスピーチをありきたりでつまんない、とテキストを打ってるのを見るとオルガかなと思う。フランチェスカはクリスタには同情してても復讐を共にしようと思ってなさそう(そうしてたら多分クリスタは死ぬこともなかったのでは

本の送り主→フランチェスカにしてはずいぶんとわざとらしい気も。これはクリスタなんだろうと思うけど…不明

講義の動画を撮った人物→フランチェスカだろうけど、もしかするとオルガ?

リディアを殴った男をしかけた人物→こう考えるとだんだんフランチェスカとオルガがグルに思えてくる。リディアにオルガを追わせたのもわざとっぽい

スコアを盗んだ人物→これもフランチェスカかオルガでは?オルガは何度も家に来ていたし。直前に盗める状況だったひとをもう一度確認したい

隣人の老人→老衰じゃなくて殺したってこと?なんだか不自然にも見える

リディアは本当にバーンスタインに教わったのか→あのビデオで学んだだけだとしたら嘘つきはそこから…