のら

ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリーののらのレビュー・感想・評価

2.0
ストリートファイターの映画化というよりは、前日譚にあたるストリートファイター ZERO (alpha) の映画化で、1994年にジャン・クロード・バンダム主演で作られた物と違い、今作はカプコンが作っているのでストーリー的にはゲームに忠実な作りになっている。またマイケル・クラーク・ダンカンの実質的な遺作になる。

ストーリーは原作に近づいた反面、主人公を始め登場人物のヴィジュアルが原作から離れてしまっている。ベガやバイソンは悪くはないが、肝心の春麗を演じるクリスティン・クルックが中国人というより東南アジア系の顔立ちで春麗ぽさが弱まっている。

また "元" の身長が原作だと春麗と変わらない位で、なおかつ見た目も仙人のような風貌なのだが、今作では高身長でひょろながでかなり若くイメージが違う。一方でヴァイパーとナッシュは悪くない。

ただこの映画最大の問題点はアクションの強度が弱すぎる部分で、アクションがテンプレートでパンチやキックに重みを感じない。スピニングバードキックに至っては当たっていない。スピニングバードキック自体は春麗の代名詞なので出さないと行けないのは分かるが、やはりこれを実写でやると絵的に間抜けに見えてしまう。物語の位置づけが前日譚である事を考えると、無理に入れる必要は無かったのでは無いだろうか?

女の子の復讐モノとしては無難な作りだと思っていて、クリスティン・クルックもかわいくて悪くない。しかしアクションのダサさかすべてを台無しにしているのと、修行における試練を乗り越えて成長していく過程が弱いので春麗の強さに説得力がないため、主人公が強いというより敵が弱いだけに見えてしまう。

これが低予算なB級映画というならこんなもんだろとも思うのだけど、これ結構な予算で作られている映画なわけで、それでこのクオリティは若干首を傾げてしまう。
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