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その壁を砕けのkazu1961のレビュー・感想・評価

その壁を砕け(1959年製作の映画)
4.0
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-017
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋1950年代の作品にしてはかなりクオリティの高いサスペンスに仕上がっています。あまりメジャーな作品ではないのかも知れませんが、その製作スタッフは当時の凄腕オールスタッフ。監督の中平康、脚本の新藤兼人、撮影の姫田真佐久、音楽の伊福部昭、凄い面々です。

🖋とりわけ新藤兼人の脚本が際立って素晴らしいです。“巻き込まれ型サスペンス”“冤罪法廷もの”を両立させた作品で、婚約者を車で迎えに行く青年が殺人事件の犯人として誤認逮捕されるサスペンスと、その彼女と弁護士が軸になって法廷で冤罪を明らかにしていく法廷対決に魅入ってしまいます。これは実際の冤罪事件「丸正事件」(1955年)にヒントを得た新藤兼人が見事な脚本を作り上げたんですね。

🖋そして自動車疾走シーンで縦横無尽に動く躍動感溢れるカメラワークがいまでも語り草になっている姫田真佐久のカメラ、サスペンスの緊張感を盛り上げる伊福部昭、これらをクールに、スタイリッシュに、リズミカルにまとめ上げた監督の中平康、あっという間の100分間です!!

🖋俳優陣では全体的にクールな中で可憐さが一際光る芦川いづみの美しさは必見、若き日の長門裕之の自然な演技も好感が持てます(若き日の長門裕之、角度によっては桑田佳祐に激似ですね!)。

😌Story:(参考:Amazon)
東京と新潟を結ぶ国道をひた走るワゴン車。運転しているのは渡辺三郎という自動車修理工の男。翌日の午前十時には新潟駅で許嫁のとし江と会う予定だ。三郎は必死な思いでこのワゴンを買い、新潟で独立してとし江と結婚することになっていた。幸福感にひたり車を走らせる三郎は途中、手を振っていた一人の青年を便乗させ、駅近くの雑木林で降ろした。三郎の車が駅前広場にさしかかると、警官が突然現れそのまま三郎は逮捕されてしまった。抵抗する三郎を刑事が町の郵便局へ連行すると、そこは血の海だった。そこにいた女が三郎を見て叫んだ「この人です! 」。

🔸Database🔸
・邦題 :『その壁を砕け』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1959
・日本公開 : 1959/06/23
・上映時間 : 100分
・受賞 : ※※※
・監督 : 中平康
・脚本 : 新藤兼人
・原作 : ※※※
・撮影 : 姫田真佐久
・音楽 : 伊福部昭 
・出演 : 長門裕之、芦川いづみ、小高雄二、渡辺美佐子、清水将夫、芦田伸介、西村晃

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「才女気質」のコンビ、新藤兼人が脚本を書き中平康が監督した裁判劇。撮影は「男が爆発する」の姫田真佐久。
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