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浮草のkazu1961のレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
4.5
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2023-026 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-598

🖋なんて言うたらええやろ。。。小津安二郎監督作品の中では、今までとは違った撮影や美術、そして素晴らしい演出!!全体的には静寂に進んでいく中で、圧倒的に心を揺さぶられるクライマックスに号泣、こんな愛情切ないクライマックスはあまり他に観たことがありません。そしてラストには未来に向けての微かな希望が。。。

🖋️先ずはオープニングの灯台の構図から惹きつけられます。いつものローアングルの固定カメラも適度に差し込まれながらの、宮川一夫の手による色が感じられる画面とその切り返しが素早いカメラワークが絶品!!雨の中での家屋越しに口論する中村鴈治郎と京マチ子のシーンは特に名シーンです!!

🖋️本作、1934年に製作した『浮草物語』を監督自らがセルフリメイクした作品です。小津安二郎の演出と宮川一夫のアグファのカラー映像が旅芸人たちの心情の世界観を見事に表現しています。

🖋️さらに本作は大映で製作された作品のため、主役が中村鴈治郎と京マチ子、そして若尾文子に川口浩といういつもの小津組俳優陣ではありません。それらをいつもの笠智衆をはじめ杉村春子といった小津組の面々が脇を固めているのも素晴らしいところ。特に中村鴈治郎と京マチ子の熱量の高い演技は特筆モノです!!

🖋️小津安二郎監督が描いた男女の愛情の中でも起伏に富んで、かつこれほどまでに寂しげな結末のものを観たことがありません。ほんと号泣です。。。そう言った意味でも必見ですね。

😭Story:(参考: Google)
志摩半島にある、小さな港町。そこに、知多半島を回ってきた駒十郎の一座がやってくる。彼は一座の女・すみ子と懇ろになっていたが、その町には彼の子を生んだお芳がいた。駒十郎は、事情を知らない息子の相手をするうちに親心が芽生える。そんな彼の変化に苛立つすみ子は、腹いせに一計を案じる。

🔸Database🔸
・邦題 :『浮草』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 1959
・日本公開: 1959/11/17
・上映時間: 119分
・受賞 : ※※※
・監督 : 小津安二郎
・脚本 : 野田高梧、小津安二郎
・原作 : ※※※
・撮影 : 宮川一夫
・音楽 : 斎藤高順
・出演 : 中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、川口浩、杉村春子

🔸Overview (映画. com)
「お早よう」のコンビ野田高梧と小津安二郎の共同脚本を小津安二郎が監督したもので、ドサ廻り一座の浮草稼業ぶりを描いたもの。撮影は「鍵(1959)」の宮川一夫が担当した。
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