柏エシディシ

丹下左膳の柏エシディシのレビュー・感想・評価

丹下左膳(1952年製作の映画)
3.0
年明けに小津安二郎作品をまとめて観てて「淡島千景めっちゃイイ」と思っていたら神保町シアターでまさに没後10年特集上映中。
勝手に運命めいたものを感じて時間の合った2本を見に行った。
時代劇門外漢の自分も丹下左膳と100万両の壺のお話は聞いた事はあるのだが、繰り返し映画化されている定番エピソードなんですねぇ

にしても、ちょっと途中で何の話だったかわからなくなってくる脚本の構成はちょっと笑っちゃうくらいにひどい。
なんか、めでたしめでたしみたいになってるけど、人死んでるし!w
クローズアップの切返しを連続で見せたりするのもおかしいし、編集の繋ぎのミスが素人にもわかるレベルであったりとか、牧歌的な時代感は否めない。
しかし、それを差し引いても結構楽しめるのは、やっぱりバンツマのスター性と淡島千景の艶っぽさ。
バンツマも50を超えて、得意の殺陣もすこし迫力に欠ける様に思うが、いざと言う時の見栄のキマリかたや愛嬌の良さはやっぱり不出世のスター俳優なんだと若輩者の私にもわかる。
そして、御目当てのおけいちゃんですが…最高ですね。
着物の襟元が大きく開けた着こなし、艶やか。気風の良いねえさん振りがたまらない。
左膳の一振りを抱えて駆けつけるシークエンスは作劇上ちょっと長いよ!と思いつつも、ファンとしては最高に上がりますわな。すごく綺麗な生き物を見ている気持ちになる。
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