ニューヨークからドイツのバレエ寄宿学校に勉強にきた少女スージー(ジェシカ・ハーパー)。
しかし、その学校で連続して謎の殺人事件や怪奇現象が多発していく。
ダリオ・アルジェントが監督・脚本を務めた“魔女3部作”第1弾。
日本では馴染みの薄い魔女にまつわるお話。
魔女三部作で、今回は三姉妹の魔女の一人である「溜息の母」。
魔女による儀式が行われたり不気味な銅像があったりなどはまさに西洋のホラーと言った所。
あと、アメリカのスプラッター映画とはまた違った、常識では思いつかないような殺戮方法やアングルがあまりにすごすぎて、怖いという域を超えてある種芸術作品に見えてしまいます。
凄いのは表現力。
音(music)に色(デザイン)等。
ホラーには必須となってくる気持ち悪い置物、鏡、風、変人…(盲目のピアノマンや口の聞けないルーマニア人)。
レベル高いです。
秘密部屋に進むのに、青いアイリスの絵を回すという仕掛けがあるのも面白い。
それに続く道で、日本に影響を受けたような障子状のインテリアがあるのも良いなと思った。
なぜキーになるのがアイリスなのかと思い、何か意味があるのかと思って花言葉を調べてみたら、ギリシア語でアイリスは虹の意味があり、「あなたを大切にします」「希望」「メッセージ」「よい便り」という意味があるようだ。
「アイリス花言葉」で検索すると時々「復讐」というのが引っかかるのが気になるが、「メッセージ」というのが一番メジャーっぽい。
これも謎を解く為のメッセージではあるから意味も少しはあるのか。
それとも色によってもまた違うんだろうか。
また、アルジェントはその圧倒的な映像美においてのみだけで語られがちだが、脚本がとにかくとんでもないのである。
この名作にしたって明らかに破綻しているではないか。
そしてその破綻があってこその美なのだ。
今見たら若干古い感じがありますが、雰囲気を楽しんでいただきたい1本。