今朝、妻が自分の手帳を見せてきた。
手帳には、可愛いマスキングテープに
恐竜のシルエットのクリップに
可愛い付箋が、所狭しと貼ってあった。
書くとこなくなるね。と笑うと、
でも、楽しい気分になるんだよね、と
妻は笑う。
日中、大手文房具店で、会社の買い物を
済ませた僕は、降りてきた階段を振り返
り、また階段をのぼった。
付箋売り場の前に立って、
妻の気持ちになって、付箋を選ぶ。
自分の買い物よりも真剣だ。
人は、会っていない時に、その人を想う。
強く想う。美味しいモノを食べた時。
美しい景色を見た時。嬉しい瞬間に立ち会った時。
73歳のおじいちゃんが、病で倒れた兄に
会いに行く。仲違いして会っていない兄に。
視力も衰え、杖がないと歩けなくなった。
時間がない。チャンスはもうないかもしれない。
彼はこの世界で自分が運転できる唯一の乗り物
時速8キロのトラクターに乗って旅に出る。
八丈島の民宿脇の空き地に体育座りをして、
星空を見上げる。周りに灯りもないので、
満点の星空が広がる。天の川（銀河系）も
バッチリ見える。星はどこにもいっちゃいない。
毎日変わらずそこにある。
主人公のおじいちゃんの想い。
道中、彼に巡り会う人たち。
大きな大きなトラック。
真っ直ぐな道。アメリカの原風景。
自分で完走することにこだわる
おじいちゃん。自分の足で、自分の意志
で、前に進みたい。
ラスト。じんわり。あぁもう
言葉にならない。
