Melko

愛と青春の旅だちのMelkoのレビュー・感想・評価

愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)
3.6
「どうせ士官になれっこないんだ」
「なってみせます!」
「お前のような利己主義の奴がなれると思うか。戦場で誰がお前に命を預ける?」

うちの父親が人生ベスト映画にあげる1本
お初の鑑賞でした
43年前の映画だもの、セリフや演出に多少色々と古臭いところはあるけど、軍隊の訓練って時代変わらずこんなものじゃないの?
2時間越えは長いなぁと思いつつ、自分のことしか考えてなかった自己中な1人の青年が、頭を打ち、何にも変え難い親友を得て、チームのために少しずつ変わっていく過程が割と丁寧に描かれていたと思う。

友達や愛なんて要らない、意図的に他を寄せつけまいとする主人公ザック 体を張りまくって表現した、ピッチピチのリチャード・ギア(私の中ではイケオジの印象しかないので、若くてハツラツとした姿はちょっと異様ではあった)
彼の他に印象に残ったのは女性キャラばかり

ザックの配属された候補生81期の紅一点シーガー。喜怒哀楽がハッキリしたキャラながら、何度やってもできなかった涙の壁登りを、ザックが鼓舞することで克服
男に生まれたかった(であろう)コンプレックスを乗り越えて、よく頑張った!
もう1人は、ザックの親友シドの彼女リネット
「12周目のあとにDOR(自主除隊)はバカだ」とシドに言い放った彼女、元々シドに対して狙いがあったとはいえ、報われない悲しさと、彼女が素直にバシッと本音を言ってしまったがためにシドは悲劇の道へ…
どなたかのレビューで、「あんなに酷いことして人間として終わってるリネットがラストで拍手で送り出すのは変」と見たが、よく見るとリネットは泣いてる
素直になったからこそ結ばれたザックとポーラのラストの笑顔を前に、悲しさと悔しさを一瞬滲ませ泣きながらも、最後は笑顔でポーラを送り出す
最後まで相手のことを思いやれなかったリネットの切なさが印象に残った

ことあるごとに怒る軍曹とザックの対立も、必要な通過点か
目上の者に歯向かう度胸と根性も大事

リアルタイム且つ同年代で観れた人にとっては、忘れられない作品になったんであろうことがわかる、バリバリの青春物語だった
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