緑雨

マレーナの緑雨のレビュー・感想・評価

マレーナ(2000年製作の映画)
3.8
嫉妬や偏見、集団虐めなど人間の嫌な面を暴いているが、どこかあざとく思えてしまうのは人物に対する描き込みがいまひとつ浅いせいだろう。それより何より、改めて観ると素晴らしい画面に溢れた映画だ。
シチリアの魅了的なロケーションが寄与している部分は大きいが、歩くモニカ・ベルッチを遠巻きに捉える距離感と移動のスピード、人々の感情を切り返しで重ねる状況の見せ方が決まっている。ムッソリーニの演説を喧伝するオープニング(開戦)からドイツ兵の到来、敗戦と米軍の入場という時代背景の混ぜ込み方も手際がよい。
緑雨

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