真鍋新一

サイレンサー第3弾/待伏部隊の真鍋新一のレビュー・感想・評価

3.2
愉快でごきげん。

特になんの意味もなく南米が舞台になっていて、映画を撮ってるのか遊びに行ってるのかもよくわからん感じの余裕が全シーンから滲み出てて最高。敵の秘密基地とか言いつつ表向きはビール工場なのでやたら酒を飲みまくるし、これは間違いなく遊んでいる。

そんなムードに合わせてヒューゴ・モンテネグロの音楽もアメリアッチ全開で、サントラの良さもまた魅力。というか、雑でいい加減だけどそれも含めての雰囲気という映像付きのDJプレイと言ってもいい。主題歌はボイス&ハート。どうしてこうしてみんなスパイ映画の主題歌って素晴らしいんだろう。

主人公のディーン・マーティンは女性を口説くときには必ずディーン・マーティンのレコードをかけるという謎設定(どういう世界観なんだ)、特に何の意味もなくシナトラのレコードが出てきてそれをディーン・マーティンが放り投げるシーンもある。

どーしよーもない男性上位な描写は、冒頭の特に何の意味もなく露出の多い若い女性限定のスパイ養成学校のシーンくらいで、あとはみなさんお召し物が大変素敵なので服ばっかり見て楽しんでしまった。

工場のシーンなど、意外と細かいハメ込み合成が駆使されていたり、スクリーンプロセスがバレバレだったり、人を釣るワイヤーがばっちり見えたりっていうお約束もご愛嬌。良き時代。
真鍋新一

真鍋新一