とりあえず地球が滅びそうな古いSF映画が観たかったので「地球」でタイトル検索した。
地球のマグマを地表に出して無限のエネルギーを得ようというメチャクチャすぎるプロジェクトをリスクをガン無視で強引に実行してしまう。本当はお粗末なB級映画らしいと言いたいところだが、原発を建てまくってひどいことになっている現実のヤバさとダブってしまってそこはバカにできない。
地球規模の大惨事が発生するのにほとんどの被害はセリフでしか語られず、地球に穴を空けるミサイルの発射台など、精巧なミニチュアワークや爆破効果に見るべき点はあるものの、映画全体としてはかなり残念。マグマの大爆発をビキニ環礁の水爆実験の有名な記録映像で代用したのもひどい。
無茶な計画の結果、もちろん甚大な被害と犠牲が発生するのだが、「3万人死んだ」という知らせに対してダナ・アンドリュースが「まだ広島より少ない」とか言ってて最悪すぎる。そういう非道な人間という描写なのか、アメリカ人的にはそういう感覚なのか、どちらなのかはわからない。
ただ、地球の地殻プレートが裂けることによって大惨事が起きるという理屈や、潜水艦で海底に潜り、裂けた箇所を観察しに行くくだりには妙に既視感があり、もしかすると『日本沈没』の発想元のひとつになっているのではないか。
ヒロインと元カレとヒロインの夫(全員科学者)の人間ドラマはとても見られたものではなかった。