せの

殺しのドレスのせののレビュー・感想・評価

殺しのドレス(1980年製作の映画)
4.5
デ・パルマ流のサイコ。
行きずりの男と情事に及ぶ欲求不満の既婚女性が惨殺された現場を偶然目撃してしまった娼婦。次なる標的となった彼女は、殺された女の息子と協力して犯人を探る。

かなり荒技などんでん返しで脚本にケチはつけたくなるところですが、初めケイトがエリオットに性生活の不満を打ち明けるシーンに大きな意味があって、要所要所にある一見無意味なシーンもきちんと本編に絡んでくるあたりは流石!
とにかく静寂と暗闇、じわじわと映すカメラワークでこっちをビビらせようと本気になっているのが嬉しい限りであるし、最後のシャワールームでの鏡を使った演出なんか鳥肌ものでしてね、最高です
エロティックサスペンスと銘打っているだけあって、お色気シーンは途端にエロスに全振りするし、サスペンスシーンは緊迫感をこれでもかと盛り上げてくるのでずっと味が濃い!
冒頭のシャワーシーン、精神病棟や、レストランでの会話シーンなど、夢がうつつか?ギャグなのかシリアスなのか?という曖昧な世界観の描写もこちらをかき乱してきますネ!
デ・パルマの味超濃いめの大傑作です!!
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