せの

暗殺の森のせののレビュー・感想・評価

暗殺の森(1970年製作の映画)
4.0
マルチェロは、13歳の頃ホモセクシャルの青年リーノに襲われ銃殺してしまったことがトラウマとなり、どうにか普通になりたいと願いファシストになる。政府からの命で、反ファシストの大学教授でマルチェロの恩師でもあるクアドリの身辺調査をすることになり、新婚の妻ジュリアとパリへ。しかし、教授の若妻であるアンナに一目惚れしてしまい…

なるほどいちいち絵画のような画面が凄まじく印象に残る作品です。人物が通りを歩けば、流れるカメラワークで並行して動きを追い、人物同士のやりとりでもその向こうに常に美しい情景やらが映っています。
話はなかなかビターですが、ところどころコミカルなシーンもあったり、エロスな部分もあったり、揺さぶってくるところもあります。
ラスト、森の中での暗殺は息を呑む緊迫感…そしてやるせない気持ちになりました。

それにしても、ちょっと緩急がないのが玉に瑕というか…もう少し終盤までに盛り上げられそうなところがあったような気もします。あまり主人公の感情が飲み込めないあたりがフランスっぽい

日本人ならではの楽しみ方としてマルチェロの「木ー!木ー!」発言をピックアップします。ちょっと笑いました
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