せの

ショーガールのせののレビュー・感想・評価

ショーガール(1995年製作の映画)
4.0
想像以上に映画的パワーに溢れた作品でした。エロにばかり目が行って批判してる人、よくないぞ!

ダンサーを目指してヴェガスにやってきたノエミはいきなり荷物を盗られて途方に暮れる。助けてくれたモリーの家に住み、ストリップショーで細々と生計を立てる生活を始める。モリーの働くホテルのショーでスターを務めるクリスタルと揉めた事をきっかけに、ノエミがスターに成り上がるまでを描いたドラマ。

ノエミという主人公は理解に苦しむほどのヒステリックさや精神的不安定さを抱えており、感情移入して応援できるキャラクターではないですが、そんな彼女が深く計画を立てるでもなく割と行き当たりばったりで登り詰めていくのが面白いです。これは根拠のない自信と何故か関わりある人たちを利用できてしまう運の良さが働いているからでしょうか。

ホテルのショーは確かに一流でも、そこにいるキャストや裏方の人たちはゲスで、逆にストリップショーで働いていた人たちは粗雑な部分もあれど基本的には情に厚い良い人が多いのもほっこりしますね!
奢ってもらったポテトを弾き飛ばすようなクソったれのノエミにもずっと寄り添い大親友にまでなれるモリーが犯されるところは心が痛みますが、それも全部清算してヴェガスを去っていくノエミはカッコよく見えました。
「賭けには勝ったのか?何を得た?」というジェフの問いかけもいい後味を残しています。
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