カリカリ亭ガリガリ

殺しのドレスのカリカリ亭ガリガリのレビュー・感想・評価

殺しのドレス(1980年製作の映画)
5.0
この世には、ヒッチコックの『サイコ』よりも『殺しのドレス』を敬愛する者が確かに存在しているのです……。
それは、少なくとも一人は自分なのですが、デ・パルマを師とするデ・パルマニアたるもの、『殺しのドレス』を100回以上観てないやつぁ校庭10周!と激昂することに何ら違和感を覚えません。って書きながらアタシがサイコ野郎に思えてきましたが、それほどにオールタイムフェイヴァリットなのです。

撮影の魅力について書くと延々書けてしまうので、とにかくあの美術館での追いかけっこシーンは(いくらヒッチコックの真似であれ)志しとして超偉いとだけ書き留めておきます。

そして君、マイケル・ケインの代表作と言えば『アルフィー』でも『ハリー・パーマー』シリーズでも『ジョーズ4』でも無く(『ジョーズ4』はガチで無い)、紛れもなく『殺しのドレス』なのだよ。最近のノーラン作品での彼のおとなしさには噴飯ものである(頼む、また暴れてくれ)。

さらに『キャリー』、『ミッドナイトクロス』、そして本作と言い、ナンシー・アレンの妖艶さ、可愛らしさ、ってかエロさの破壊力は凄まじきものです。実際にデ・パルマが惚れて撮っていますから。

そして、まあこれはネタバレでは無いと思うので書きますが、3作全てで彼女は「殺される」ということが何よりも重要で、惚れた女は映画で殺す、というのはヒッチコックもやっていたこと、いや変態映画作家たちは皆やることなので、君も好きな娘が出来たら映画の中でブッ殺そう!(この文章を書く前に缶ビールを一杯呑みまひは)