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モスラのHKのレビュー・感想・評価

モスラ(1961年製作の映画)
3.6
「モスラが、来ます」(←ザ・ピーナッツ風にハモって!)

実は『モスラ対ゴジラ』はLDも持っていて過去に何度も観てますが、このモスラ単体のオリジナルの方は数々の名シーンを憶えているもののストーリーの記憶がどうも曖昧。
今回いい機会だったので、午前十時の映画祭の『モスラ/デジタル4K修復版』を観に行ったところ、どうも全編を通して観たことが無かったと判明。記憶が曖昧なハズです。

海を渡るモスラの幼虫、東京タワーの繭などの名シーンは、これまで名場面集等を何度も観たせいで本編も観た気になっていたんでしょう。
また『モスラ対ゴジラ』(以下モスゴジ)にも小美人(ザ・ピーナッツ)は出てますから記憶が一部ゴッチャになっていたとも考えられます。

ロリシカ国(ロシア+アメリカ?)の水爆実験場で無人と思われていたインファント島には実はナゼか放射能の影響を受けない原住民が存在、調査団が向かい謎の小美人を発見しますが・・・
ストーリーは思ったよりはきちんとした印象。まあツッコミ出すとキリがありませんが。戦後の日本の列強に対する皮肉もけっこう露骨だったりします。

主人公の新聞記者には特撮モノは珍しいフランキー堺。
相棒の女性カメラマン香川京子はローマの休日風のライター型カメラも使っていました。
他の出演者は志村喬、上原健、小泉博、平田明彦、佐原健司など東宝特撮の常連がズラリ。
昔の特撮物やキイハンターなどでよく見たトルコの俳優オスマン・ユセフ氏も確認。

モスラは幼虫も成虫もイイ動きをしています。気合の入ったミニチュアセットもさすが日本が誇る円谷特撮。懐かしいバヤリースの看板も。
画質もそこそこキレイでしたが、今回の公開60周年にともなう4K修復作業の前の映像はかなり劣化が酷かったそうです。

意外だったのは音楽が伊福部昭ではなく古関裕而だったこと。
有名な“モッスラ~ヤッ!モスラ~♪” という曲(モスラの歌)は伊福部作曲じゃなかったんですね。私の勘違いでした。ちなみにモスゴジの方の“マハラ~マハラモスラ~♪”は伊福部の作詞作曲です。

ところでモスゴジの方でお馴染みの小美人のセリフと言えば、
「卵を返してください」(←ザ・ピーナッツ風にハモって!)でした。
もちろん、フライパンの卵焼きをひっくり返せと言ってるのではなくて、日本企業が盗んだモスラの卵を返せと言ってます。
そういえば本作のインファント島の原住民に日本語は通じませんでしたが、4年後のモスゴジではナゼか全員日本語ペラペラ。密かに学習していた?
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