登場人物は元囚人レイラ、ヤコブ牧師、そして手紙を届ける郵便配達人、ほぼこの3人。
舞台は静かな自然の中にたたずむ廃墟のようなヤコブの家、ほぼここだけ。
セリフも少なく、説明的なものもなく、ただただ、ヤコブとレイラの姿が映し出されていく。
レイラを演じたカーリナ・ハザードさんが素晴らしかった。
失礼ながらポスターを見たときは男の人だと思っていた。
映画が始まっても風貌や態度は男っぽくて、とても怖いというか悪い雰囲気がプンプン(笑)
それこそ本当に牧師を殺してしまうんじゃないかと、見ていてハラハラしてしまうほど。
そんな彼女が終盤、自分の過去を手紙として読み始めたとき、そしてその後の表情の変化が素晴らしかった。
そして全てを包み込むようなヤコブ牧師。
本当に素晴らしい役者さんがいれば、舞台や登場人物がこんなに少なくてもいいんだ、というか少ない方がいいんだなと思った。
牧師は手紙によって沢山の人を救い、その手紙によって自分自身も救われていた。
そしてレイラも牧師に救われ、牧師もレイラに救われたのかもしれない。
ラストは悲しいけれど、人というものの愛おしさを感じた。