ミチ

シモーヌ フランスに最も愛された政治家のミチのレビュー・感想・評価

3.8
ホロコーストを生き延び、女性初の欧州議会議長となったシモーヌ・ヴェイユ。

強いのではなく強くなるしかなかった彼女の、その生涯を描いた作品。


邦題に「フランスに最も愛された政治家」とある通り、本作はフランスで10週連続トップ10に入り240万人を動員、2022年の国内興行成績1位となっている。

しかし、正直私はこの作品を観るまで彼女のことを知らなかった。

おそらく多くの人に認知され愛されているということをベースに作られているので、本国と日本では多少温度差が生まれてしまう点は否めない。

しかし、ひとりの女性の人生を描いた作品として捉えてもとても内容が濃く、映画としてもよく出来ていた。

何よりこんな人がいたのだと知ることが出来たことがかけがえのない経験であり、これが映画の素晴らしさだなと改めて感じた。


しかしながら、彼女の辿ってきた道は1本の映画に到底収まらないほど壮絶だ。

それでもその一端に触れることで、彼女の言葉ひとつひとつがより質量と温度を持って伝わってくるようだった。

彼女の自伝もいつか読んでみたい。
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