Hagieen

頭文字[イニシャル]D THE MOVIEのHagieenのレビュー・感想・評価

3.8
アンドリュー・ラウ、アラン・マック監督、ジェイ・チョウ主演。

日本のコミックを中華圏のスターで日本を舞台に実写化。

毎朝の豆腐配達で峠を走る藤原拓海は知らぬ間にドライビングの腕が上がり、峠を走る走り屋から一目おかれる。
走り屋達から挑戦を受け、AE86トレノを駆り走りに目覚めていく。

2000年代初頭は、香港映画界はアンドリュー・ラウ、アラン・マックの「無間道(インファナル・アフェア)」の大ヒットで激震が走っていたと思う。
いい加減なシナリオが多い香港映画界だったが、「無間道」のヒットを持ってシナリオを重視した作品が増える事となる。
その売れっ子二人が「無間道」三部作直後に手掛けたのが本作となる。

ジェイ・チョウは原作の拓海のイメージとはかなり違うし、日本の頭文字Dファンからすると「誰だ、コイツ」的な感じだと思う。
中華圏の音楽界ではシンガーソングライターでダンス、プロデュースもこなす。映画やPVも監督する天才マルチアーティスト。
そういった大スターなので演技経験は浅くとも集客が見込めるキャスティング。
親父にアンソニー・ウォン、ライバルにして後に仲間となる涼介にエディソン・チャン、中里にショーン・ユー、さらにはチャップマン・トーと「無間道」組をそろえ脇を固める豪華キャストだ。

香港は車好きも多く「頭文字D」に目をつけるのはわかる気がするが、香港映画にありがちな原作改ざんは比較的少なく感じる。
これはきちんと日本を舞台としたロケーション、峠バトルを見せるというこだわりと彼らが広東語話しながらも日本人を演じるのは原作へのリスペクトからだと思う。
ドライバーの脳内会話がこの作品の持ち味でもあるのでw、そこはもっとあってもよかったかも。

レースシーンは高橋レーシングチームが協力、この貢献度が高いと思う。
CGも駆使しているが、原作の溝落としや迫力あるレースシーンを再現している。ほぼ夜間撮影なので大変だったのではなかろうか。
後の「ワイスピ」あたりにも影響を与えていると思う。

援交ヒロインってのはどうなんかね・・・映画的にはいらない設定だった気がするが、これも原作リスペクトなんだろうな・・・
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