VHSで繰り返し観ていた。超大傑作なのに、あまりに一般的に知られていなさすぎる！『くまのプーさん』シリーズで一番好きだし、ディズニーアニメーション作品でもトップ5には入れたい。
テーマはど直球に「家族」。ティガーが自分の家族を探し始めるところから物語が始まる。いつも能天気に飛び跳ねる、憎めないキャラの代表格・ティガーが抱える孤独感をしっかり描いているため、こちら側も、感傷的になってしまう。
家族の定義とは？血が繋がっていなければ家族じゃないの？いつも一緒にいるプーさんをはじめとする100エーカーの森の皆んなだからこそ出せる温かさ。
散々フリを効かせた末のオチは予想通り過ぎるけど、潔いラストカットは涙が出るほど優しい。
悲しさ・虚しさが重なっていくのに比例して悪化する天候。前半でティガーが自分の家族を想像するシーンのお祭り感・カラフルさに比べて、真っ白な猛吹雪のラストシークエンスは、本当にプーさんシリーズだよね？と疑いたくなるほど緊張感がある。
そして今作ではルーが助演男優賞。ティガーの弟的な存在として彼を支えていく。やっぱりプーさんシリーズに通底するほっこり感は、キャラクターの可愛らしさやおっとりした性格にもあるけど、友達の為に何かをしてあげる団結感、という部分が大きいなあと改めて実感できる。
プーさんの「だって僕らには、それくらいしかできないから。」に対するティガーの返しが素敵すぎる。Kenny LogginsによるED曲『Your Heart Will Lead You Home』（2008年〜2013年に開催されていたディズニーランドのデイパレード『ジュビレーション！』のメインソングにも使用された曲）まで含めて大好きな作品！77分と短いので、Disney+に加入しているけどディズニーアニメーションあまり観てないな〜という方にも薦めたい！
ルーは100エーカーの森の末っ子であり、純粋に友達を信じられる愛すべきキャラクター。そんな彼の愛おしさは『くまのプーさん 完全保存版Ⅱ ピグレット・ムービー』でも見ることができる。
