yukihiro084

SUPER 8/スーパーエイトのyukihiro084のレビュー・感想・評価

SUPER 8/スーパーエイト(2011年製作の映画)
3.8
まず、あんな出来事が本当に起こったん
でしょうか?僕思ったんですよね。

この作品も、ジョーや、太っちょの監督
カズニックや、手作り火薬のケアリーが
(想像した出来事)だったんじゃないか
って。あのダイナーに座ってね。
もしかしたら、アリスもいなかったのかも
しれない。カズニックの姉の代わりに
アリスが来る話を聞いた時からジョーが
作りあげた世界かもしれないなって。

これは、何もない小さな街を舞台に
ある男の子の喪失と再生と友情の物語。

『僕が大人になったら、スピルバーグ
プロデュースで、(未知との遭遇)や
(ET)みたいな作品を作るんだ。』と
スピルバーグ世代の映画少年が
中学の卒業文集にでも書きそうなことを
実際に映像化したかのような作品。

僕はね、結末のアレは別に
どうでもいいですよ。別に。
(ヴィブラニウム)でも
(クリプトナイト)でも
(超人血清)でも
(遊星からの物体X)でも
(オプティマスプライム)でも
何でもいいんですよ。

彼が閉じきった(部屋)を開ける
キッカケになれば、
彼が自分の足で駆け出す
キッカケになれば、
それでいいんですよ。
彼が心にある想いを声の限り叫ぶ
キッカケになればいいんですよ。

エル・ファニングを衝撃的に知って8年。
映画とは何か、エンターテイメントとは
何か、と問われていた頃の、大震災の
3ヶ月後に公開された作品も僕は
劇場にいたんですよね。

子供の頃、団地に住んでいた。
父は長い間、水商売の大型チェーン店の
会社で働いていて日本中を飛び回っていて
ほとんど母子家庭の家だった。
僕の団地の友達の父親は酒に酔うと
子供に暴力を振るう父親だった。
ある日その友達は素足で顔に血をつけて
僕の家に避難してきたことがあった。

劇中に出てくる火薬好きのケアリーの
バックグラウンドが語られることはない。
何故彼は火薬好きになったのか?
彼の顔に(暴行の痕跡)がないか
見てしまう、

この作品は賛否が分かれているらしい
ですけど、それもわかります。
あれは何だったんだ?っていう
回収し切れていないエピソードは
たくさんありましたしね。

でも、余震や計画停電、真っ暗な繁華街、
歌を歌っている場合か、
映画を観ている場合か、って
なっていた頃、ひとりの映画少年の夢を
具現化したようなこの作品は、僕の心には
深く深く、残っているんですよね。

それを、信じる心って言うのか、
希望って言うのか、映画を観る喜びって
いうのか、わかんないですけどね。

当時、映画館で。今回WOWOWで再鑑賞。
yukihiro084

yukihiro084