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トゥルクシブのmingoのレビュー・感想・評価

トゥルクシブ(1929年製作の映画)
4.0
ロシア最古のドキュメンタリー。
山形国際ドキュメンタリー映画祭2019にて。
11本目。

トークメモ

フィオードロワ・アナスタシアさん。トゥルクシブは日本で反響があった、ソビエトの東や住んでない地域をどう発信していこうかを目指して作られた。日本だけでなくジョングリアソンなども影響を受けたと言われている。巧妙なプロパガンダと前衛的モンタージュ。社会的リアリズムへの過渡期にある。風景が模様に見えたりアバンギャルド的。そしてラストのこれからの明るい未来は国策的にも見える。
最初のタイトルが鋼鉄の道、鉄路。つまりはスターリンを表現している。それは時代を反映している。ヴィクトルトゥーリンがハリウッドにいてアメリカの影響をかなり受けている。ジョンフォードのアイアンフォースとよく比較されがち。構成がかなりカッチリしていてジョングリアソンが言っていた創造的劇化を実証化している作品でもある。日本の記録映画がイギリスなどに影響を与えたと言われるがその背景にはグリアソンなどアメリカにあった。白茂線はソビエト理論などと論じられてきたのか?芸術映画社は左翼的だったので影響を受けた可能性はある。トゥルクシブはいろんな人種が働いているが、白茂線はそうでもないか。本田の構成をみると朝鮮人の暮らしを描こうとしていたが結果的にはそうなっていない。それは検閲が絡んでくるからか。作られた時期が大平洋戦争の開戦の頃なのでタイミングが悪かった。冒頭と後半のナレーションが不自然に挿入されている。1980年代に国立映画アーカイブに寄贈されたので日本で30年代にかかったのとは別物か。国内verと国外verがあるらしくて1930のグリアソン編集のもの。文明化という言葉オリジナルではないが今回のものもロシア語と少しニュアンスが違うのでその辺も気になるところ。違訳が新たな効果をうんでいる。
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