ろ

Shall we ダンス?のろのレビュー・感想・評価

Shall we ダンス?(1996年製作の映画)
4.6
「杉山さん、音楽にのって楽しく踊ればそれでいいのよ!
Shall we ダンス?」


大好きな作品、久しぶりの鑑賞でした♪

今作の役所さん、とても自然でどこにでもいそうなサラリーマンなんですよね。電車に乗っても、会社で書類にハンコ押してても、パチンコに行っても違和感がない。くたっとしたスーツがとても似合う中年男性。そんな彼はありきたりなつまらない生活を送っていた。結婚して子どもが出来て、念願のマイホーム。あとはローンの返済かぁ~。返済のために頑張って働き、家族を養えばいいんだけど。なんだかな~。
そんなとき、目に飛び込んだ1人の女性。
そして、”社交ダンス教室”の看板。

突拍子もない設定、ではなく。
ありふれた日常、だけれど。
人の温かさに溢れていてホッとする。
自分も新しい世界に一歩足を踏み入れてみたい。
そんな気持ちになる、素敵な作品です。


今作にはユニークなキャラクターがたくさん。
カツラを被り、ラテンダンスが得意な会社の同僚 青木さん。
健康のためにダンスを始めた汗かきの田中さん。
プライドが高く口が達者な豊子さん。
夫の帰りが遅いのを心配し、探偵に依頼しちゃう奥さん。
依頼を受けたら、自分も社交ダンスに興味が出ちゃった探偵。

中でも一番好きなのはたま子先生。生徒に対して思いやりがあって、優しく声をかけてくれるんです。たま子先生が登場するととてもホッとして癒されます( ˘ω˘ )そして何より先生自身がダンスを楽しみ、愛しているんですよね。
「杉山さん、ダンスはステップじゃないわ。音楽を体で感じて楽しく踊ればそれでいいの」
ダンスホールでたま子先生と手を取り、『王様と私』のダンスを踊る。とても楽しそうで杉山さんがだんだんと生き生きしてきます。


杉山さん、ダンス大会に出場するんですが、失敗してしまう。そしてこれを機にダンスをやめようと決心するんです。

そんな彼に娘が言います。
「お父さんのダンス、素敵だった。
お願いだからお母さんと踊って!」

夜風が吹く庭先へ。
娘がお父さんとお母さんの手を握って、2人に躍るよう促します。そしてゆっくりステップを踏んでいく…。
もう、この場面がたまらなく素敵で!!!
何度観ても笑いと涙がこぼれます。


観る人の背中をさすって、時に背中を押してくれる。優しい映画です♪


「しゃにむに踊ってたらいつの間にかダンスが好きになってた。毎日毎日生きてるなーって感じがして、疲れてても楽しいんです」
ろ