ベビーパウダー山崎

スリープレスのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

スリープレス(2001年製作の映画)
3.0
殺しも雑だし死が美しくないなあとぼんやり見ていたが、窓際に立つ犯人の顔面を撃ち抜くラストが最高過ぎて目覚めた。おはようアルジェント。このショックを目撃するだけでも120分付き合う意味はある。
ベルイマン以降は作品に食わず嫌いなしのマックス・フォン・シドー、軽い痴呆でオウムと会話する老人役。ゴブリンの音楽が流れてくるとアルジェント映画が真っ直ぐに立ち上がるというか、恐怖に箔がつく。池田敏春の映画とかリマスターする際はゴブリン音楽を勝手につけたい。
ロメロみたいに人間ドラマに目移りしていた時期もないだろうし、どの時代のどの映画を見てもキチガイが殺しまくっているので、これがアルジェントの原点回帰なのかはよく分からない(前作『オペラ座の怪人』が失敗したのでアルジェント色を強くしたという解釈なら理解できる)。