唯

小間使の日記の唯のレビュー・感想・評価

小間使の日記(1963年製作の映画)
3.0
女中という立場でありながら、意思が強くてきっぱりと自分の意見が言えるセレスティーヌ。誇りを失わない高潔さが気高く映る。
セレスティーヌは使われている立場なのに、どこか優越感を纏ってさえいる。

主人はもれなくメイドを気に入って手を出すので、奥様には嫌われいびられる毎度のパターン。それでも男連中が守ってくれるから続けて行けるのだろうな。

使用人同士の恋、隣人の恋慕、主人からのセクハラといったありきたりな展開の中に殺人事件というイレギュラー要素が絡んで来る。

現実的には安定安住をもたらしてくれる相手に落ち着きながらも、心では背徳感を抱かせる相手に惹かれてしまう矛盾。
あれ程に心の中で蔑んでいた立場に自分がなってしまうと、結局は自分もブルジョワに染まってしまう。
唯