あんがすざろっく

がんばっていきまっしょいのあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

がんばっていきまっしょい(1998年製作の映画)
5.0
同じ友人と、劇場に二回観に行きました。
その相方が二回目の鑑賞後、つぶやいたんです。
「オープニングのタイトルが出たところで泣きそうになった」と。
友人は、幸せなことに、物語と同じ思い出を共有できていたのです。物語の舞台は、松山。
高校には入学したものの、何をしたいのか目的もなく「高校生はつまらんなぁ」とボヤく悦子。浜辺でボート部の練習風景を見ながら、何故なのか理由は分からないながらも、その姿に惹かれていく。朧げではあるが、やっと自分のやりたいことを見つけた悦子は、ボート部への入部を希望。だがしかし、自分の高校に女子ボート部がないことを知る。こうと思ったら引かない悦子は、「なかったら作ったらいいんじゃ‼」と決意、仲間を募って、女子ボート部を発足する。
悦ネェ、リー、ダッコ、ヒメ、イモッチの五人は、ボート部を立ち上げたものの、一体どうやって練習していいのか分からない。男子部員に教えてもらいながら四苦八苦、それでも部活動のレベルには程遠い。
そんな彼女達を不憫に思った男子ボート部の顧問は、新しいコーチを見つけてきてくれるが…。
田中麗奈さんのデビュー作ですが、僕は決して彼女だけが特出していたとは思えません。
主人公の五人、みんなが素晴らしかった。
控えめながら、みんなとの繋がりを幸せに感じていたリーがつぶやきます。
「合宿ってえぇなぁ。みんな一緒で。」
純粋だな…。
手が血だらけになりながらも、必死でオールを漕ぐ
イモッチ、最初は体格通りのか細い声だったコックスのヒメは、練習が進むに連れて絶叫を振り絞る。「ドベじゃないよっ‼︎」
クールなダッコは、試合後に号泣し、放心する。
正にこれが青春なのです。
その後、テレビドラマ版も放送されましたが、自分の中で「これは違うわ」と拒否反応(笑)。やっぱり松山の海、方言、物悲しい雰囲気が、素晴らしかったのだと改めて思いました。リーチェの歌うオギヲディヨラ、揺らめく波間、キャッチローの掛け声、思い出すとジーンときてしまいます。
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