カルダモン

ジャズ大名のカルダモンのレビュー・感想・評価

ジャズ大名(1986年製作の映画)
4.2
お正月だし、おめでたい感じの映画を観たいなってことでジャズ大名。原作読んでないんですが、この映画で描かれている狂乱狂宴がどうやって活字で表現されているのか気になります。実写化不可能と言われがちな筒井康隆原作ですけど、逆にこの映画をノベライズしてみろと言われてもお手上げだと思います。

時は1860年代の江戸末期、駿河に流れ着いたのは楽器を持った黒人3人。アメリカでは南北戦争が、日本では戊辰戦争が。奴隷解放宣言されても、どこもかしこも戦ばかり。訳もわからず彼らは楽器を鳴らす。せーので始まる陽気なジャズ。

音楽好きの藩主が3人の鳴らす陽気な音楽に興味津々。城の地下牢に彼らを匿い、得意の篳篥(ひちりき)を披露してセッションに参加。楽器をクラリネットに持ち替えてプカプカドンドン音楽を鳴らしはじめる♪もう戦争とかどうでもいいから城のふすまを全部取り払って通路にして、あとはどうぞご勝手に。ワタシら地下にこもってどんちゃん騒ぎに興じるんで!

戦争反対。
いや、戦争離脱?
というより戦争無視!!
秩序はないけれど、無秩序の温もり。

広い地下牢がまるでライブハウスのような様相。山下洋輔、細野晴臣、タモリなどのプレイヤーも乱入。ウォーリーをさがせ!のようにミュージシャンを探すのも一興(細野晴臣が見つからない、、)。地上で行われている戦争をよそに、どんどんデタラメなゾーンに突入していく地下のテンション。渋さ知らずオーケストラ的な闇鍋ジャズ。岡本喜八版ええじゃないか運動。

ええじゃないか♪
ええじゃないか♪
ええじゃないか〜♪

今年もどうぞよろしくお願いします。