しゅん

信子のしゅんのレビュー・感想・評価

信子(1940年製作の映画)
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「えいこさ〜ん、ほそかわさ〜ん」の呼び声の繰り返し、ドアを開けるたびに揺れる半透明のカーテン、人のいはいないところまで川の流れを追うカメラの平行移動。少女と先生を主役にした学園映画という体裁とは裏腹な亡霊の気配。いたずらの影もいたずらで終わらない不気味さを漂わせてるし、瑞々しさと幽玄の両立が本作の魅力だと思った。そもそも高峰三枝子が幽玄だしな。途中のフィルムの乱れは残念だけど。

体操と葉っぱの揺れ、トラックとバスをよける女生徒などの反復にグッとくる。えいことちゃこ、家族に問題を抱える少女を対置させてるのもうまい。

「按摩と女」でも思ったけど、真正面の切り返しがとてもいいですね。
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