信子の作品情報・感想・評価

「信子」に投稿された感想・評価

大大傑作『蜂の巣の子供たち』の清水宏監督、1940年の作品。主演は高峰三枝子、撮影は小津映画でおなじみの厚田雄春。
九州から上京し女学校の教師になった信子が学校改革にのりだす。よく言われてるが、女教師版「坊っちゃん」みたいなお話。
冒頭から厚田雄春のすうっとした横移動のカメラワークがとても印象的。あたまからおしりまで、まるで全編が流れるような映画。
そこにジャケットにロングコート、そして黒いハットという粋な出で立ちで登場する高峰三枝子。思わず目を奪われてしまうのだ。
清水監督作品らしい無邪気さと粋さ。終盤、行方不明となった問題児を、教師と生徒たちが学校中を探し回るシーンでの幾何学的なセットの美しさったら。フォトジェニーな瞬間に満ちている。清水監督のセンスが発揮された素晴らしいシークエンスだ。
戦後、戦争孤児を引き取って育てた清水宏監督ならではの教育映画だ。
清水宏による女教師版『坊っちゃん』というところでしょうか。高峰三枝子演じる新米教師が九州の田舎から東京の女学校へ赴任します。なんですかね、よくある学園ものですよ。生徒が先生いびるんですが、愛をもって教育することで生徒と和解するってやつです。ストーリーは飽き飽きなんですが、高峰三枝子が野暮ったい新米教師から、一皮も二皮もむけて厳しくも愛のある教育者へと変貌するさまは見どころだと思います。後半はキリッとしてます。子どもの不始末で先生辞めなきゃいけないなんて、親は子の不始末で親辞めらんないですからね、先生辞めんなよ、的なセリフにはぐっときました。責任ですね。がんばります。
高峰三枝子さんの女学校教師ぶりが本当にすてきで、私が生徒でも好きになっちゃうよ〜。それなのに訛ってるって、好感度高すぎる。「け」って何度も言っちゃうところとか、あんみつ2つとかのユーモアは清水宏の方のテイストなのかな。最後は思わずもらい泣き。

「生誕百十五年記念 清水宏と小津安二郎」@神保町シアター
「えいこさ〜ん、ほそかわさ〜ん」の呼び声の繰り返し、ドアを開けるたびに揺れる半透明のカーテン、人のいはいないところまで川の流れを追うカメラの平行移動。少女と先生を主役にした学園映画という体裁とは裏腹な亡霊の気配。いたずらの影もいたずらで終わらない不気味さを漂わせてるし、瑞々しさと幽玄の両立が本作の魅力だと思った。そもそも高峰三枝子が幽玄だしな。途中のフィルムの乱れは残念だけど。

体操と葉っぱの揺れ、トラックとバスをよける女生徒などの反復にグッとくる。えいことちゃこ、家族に問題を抱える少女を対置させてるのもうまい。

「按摩と女」でも思ったけど、真正面の切り返しがとてもいいですね。
yuka

yukaの感想・評価

3.6
やや退屈

「えいこさぁ〜〜ん」「ほそかわさぁ〜〜ん」の声が木々の間にこだまするシーンが印象に残る
一

一の感想・評価

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高峰三枝子が下宿する芸者屋の若い芸者見習いが仲間を連れて校庭の遊具で遊んでいるを校内から捉えるショットとか、ハイキングで訪れる山の風景とか、あんまり瑞々しくてうっとりする。自然のなかで反響する「えいこさーん」「えいこさーん」の呼び声と木々、不思議なシーン。
三四郎

三四郎の感想・評価

4.6
愉快な戦前青春女学校物語!
寄宿舎の舎監かぁ。こんなに若くて溌剌とした美人先生が1954年の木下惠介監督による『女の園』では心のないような冷徹な舎監になってしまうと思うと…勝手な想像ではあるが笑

この映画のテーマは「教育に大切なのは愛情である」だろう。
清水宏監督はこの映画を作る際、1931年にドイツで製作され世界中で大ヒットした不朽の名作『制服の処女』を意識したのではなかろうか。
幾つもの共通点、類似点があるように思う。
・封建的な女学校
・厳格な院長・校長 事なかれ主義の教師たち
・主役の女生徒には母親がいない
・舎監であり、主役女生徒と向き合う美しく聡明な女教師(女生徒たちから慕われている)
共通テーマは、主役女生徒の『先生への想い』。主役女教師の『真実の教育とは何か、愛情とは何か』
その問いが、『制服の処女』は同性愛へ、『信子』は母性愛へと向かっている。
自殺未遂の主役女生徒を皆で探し回るクライマックスも非常に類似している。
心配する女生徒たちに自分の進退について言った後の言葉だが、「皆さんだけはあくまでも無邪気な女学生でいなければいけませんよ」
これが来たる戦争を迎える女生徒たちへのメッセージだとしたら実に深い。
 
さて、「あんたたちに押しかけられたんじゃ、次は校長室に缶詰にされる」って面白すぎ!そして芸者の代筆とは信子先生やるな!どんな艶な手紙なのかしらん笑
ズーズー弁だからズーさんと言われている女学生。これは佐々木康監督から頂戴したな笑
断然たる処置はわかるが、なるべくお手柔らかにと言う事なかれ主義の先生に対し、次の科白!これが教育の全てを語っている。
信子先生云はく、
わたくしだって女学校生活はしてきました。いたずらも結構です、喧嘩も結構です。ただそれが将来、思い出となって不愉快なものだったらいけないと思うんです。女学生らしいいたずらだったら、わたくしだって笑って見ています。女として女学生として目に余るいたずらは断然いけないと思うんです。
映像表現は相変わらず素晴らしいのに音質が笑えるレベルで悪すぎる場面があったのが勿体無い。

でも良い意味で映画の教科書とも言える演出と撮り方のおかげで音の悪さも徐々に気にならなくなっていき、果ては音の使い方が上手いとさえ思えるシーンまで後半出てくるのは流石と言わざるを得ない。
田

田の感想・評価

4.0
桂子おばさんがすげ~良い人。飯田蝶子さんの演技すばらしい。頴子を探すシーンの建物の撮り方がかっこよかった
sacchinn

sacchinnの感想・評価

3.8
あんことみつ豆の合成物。ちゃーこ。たくらみの名人。結構でございますけ。
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