孤独な娼婦が結合双生児の片方に恋をする話。
肩から腰までくっついており、腕は2人で2本、脚は2人で3本しかない。しかも片方が病魔に侵されてしまう。
静かで画面が暗く、それといった展開もないので特別面白い映画という訳ではない。なのにこの繊細な双子に魅せられてジンワリと切なくも静かな余韻に浸れる。
唯一外に堂々と出れるハロウィンの夜に3人でダンスをしたり、真ん中の足にマニキュアを塗ってあげたり、どのシーンも他の映画では味わえぬような気持ちになる。なんだろう、孤独じゃないのに孤独な感じ。
2人くっついてると恋愛どころか自由に動けすら出来ないのに、お互い必要不可欠な存在なのがたまらない。身体を共有するのは一体どういう気持ちなのだろう？
一応恋愛映画ではあるが、双子の家族愛を超えた愛の物語でもあった。

結合双生児が題材の映画は、音楽映画の「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」、コメディ映画の「ふたりにクギづけ」、ホラー映画の「バスケットケース」などを観たのだが、本作はどれよりも結合双生児の悲しみや葛藤や愛が上手く描かれていた。
(とか書いてるけど双子がくっついてるの可愛いから結合双生児好きなだけだなんて言えない)

• #結合双生児

めちゃめちゃいい映画。めちゃめちゃ好き。

モデルを夢見る娼婦ペニーと母親を探す結合双生児。唯一見世物にならないハロウィンや足に塗るマニキュアなどうっとりする場面やそれぞれ抱える孤独や寂しさを静かに描いていた。内向的で囁き合いながら話したり手を握り首をうずめて眠る2人でひとつの姿がたまらなく可愛かった。

主演、脚本、監督は実際に一卵性双生児の兄弟。鷲鼻や細身の体格が芸術的で、顔が横向きに重なるとおしどり夫婦の鳥が愛の確かめ合いしてるみたい。自然とこんな風にシンクロさせて生きてきたんだろうと想像させる動作を入れるのがとてもうまくて。実際双子だからこその息の合う演技で素敵でした。

好奇心でも見世物でもなく"人間"として寄り添い支え恋をするペニー役の女性もとてもきれいでした。色白で黒髪で真っ黒なアイシャドウに透けるような瞳の色ってずるいよねぇ。ハロウィンでのイエローのグリッターが効いたメイクもとてもかわいいし薄くてもかわいい。3人でギター弾くシーンがとても好き。

地味かもしれないけどその静けさが相まってよけいに沁みました。『フリークス』を抜いて今まで見たなかでもかなりクオリティの高い本物のシャム双生児みたいだしかわいいし、ひそひそ話したり具合が悪くなったときにもたれる感じとか、お互いいなきゃ生きていけない感じとか、やっぱりひとりになった時は寂しいし…これは定期的に観たくなる作品かも。

• #cee202105
• #cee2021

再鑑賞です
深夜、場末の映画館でひっそりと上映されてそうなメランコリックな作品です

体の一部が繋がったシャム双生児の兄弟ブレイクとフランシスは自分たちを捨てた母を探してある寂れたホテルにたどり着きます
彼らの誕生日、二人はホテルに娼婦を招き入れます
美しい孤独な娼婦ペニーは最初彼らを見て驚きますが、次第に仲良くなっていきます
ハロウィンの日、彼らはシャム双生児の設定でペニーと街へ繰り出してはしゃぎます
この日ばかりは周りの目を気にせずに外出できるのです
いつだって彼らは周囲から好奇の目に晒されてきました
ペニスはいくつあるの？いつものお決まりの質問

やがてブレイクとペニーは恋に落ち、フランシスは嫉妬し、奇妙な三角関係が生まれます
そして次第にフランシスの体が弱っていって・・・

ベトナムのベトちゃんドクちゃんを思い出しました
監督は主演もしているマイケルポーリッシュ、脚本が彼と、実際双子であるマークポーリッシュです

余韻がいつまでも残る素敵な映画です