みほみほ

マイ・プライベート・アイダホのみほみほのレビュー・感想・評価

3.6
決して綺麗ではないが、情景の美しさに加えて下品な描写すら上品に見えてくる作品。 マイクとスコットの恋模様や末路の対比が切なくて辛い。

冒頭から中盤までは、男性の美が詰まった(?!)美しい映像と独特の世界観で、傷ついた気持ちを咎める事なく、穏やかに優しく包み込んでその世界に引きずり込んでくれた。観ている瞬間だけは心穏やかにいられるようなゆったりとした時間が流れていた。

画面転換のビビッドカラーの鮮やかな色彩が心を掴み、強い印象を与える。(こういう映画の間って本当に好きです。)

リヴァー・フェニックスの青年期は、相変わらずちょっと悪っぽくてワイルドなんだけど、どことなく顔つきが優しさの方に抜けていて、男らしさの中に見え隠れする脆さが伝わる表情が魅力的。突発的に眠ってしまう病気を抱えながら重荷を背負いながらも潰すように でも確かに生きていく姿が切なかった。

びっくりしたのは キアヌ・リーヴスの凛とした美しさ。物心ついた時から苦手な顔だったのだが、若い頃は凛としてて 抜けきれないあどけなさと青さに飲み込まれた。

背広を決め込んだ姿は凄く素晴らしかったけど、冒頭の語り通り、いつかはこんな生活を辞め生まれ変わるスコットと、停滞して苦しみ続けるマイク…その対比に言葉が出なかった。

《一番好きなシーンは
雑誌の表紙が喋りだす場面。》

汚く辛い現実を 悲惨に描く事なく、独自の目線から語ってくるようなこういうタイプの映画は、描写で語りかけて魅せてくるので、しっぽり入り込めるのに なんとなく気楽に観れるから落ち着く。

リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーヴスがバイクにまたがるシーンは、様になってて流石だった。

リヴァー 綺麗で、キアヌ可愛かった。

火を囲まれると、Stand by meを思い出してしまうという 特典つき。

もっと自由に生きなさいよと言われてるような気がしてくるから 精神的に有益な映画なのかもしれない。視野は広く持たねばなりませんね。いや、でも切ない。

マイク目線に入り過ぎると辛く苦しいが、フラットさとアイダホから連想するのんびり感が心地よい不思議な作品でした。

好きってどんな形でも綺麗。

日本社会にお疲れ気味なので、海外で大らかに 暮らしてみたくなりました。

have a nice day
いい一日を!

この言葉をマイクに贈ります。
みほみほ

みほみほ