LalaーMukuーMerry

ハンナとその姉妹のLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)
4.1
趣味のピアノで客を喜ばせるお爺ちゃん、女優、絵描き、建築家、作家など文化的な人たちが集まるハンナ三姉妹の一家とその取り巻きの男たち。いかにもウディ・アレンらしい人物設定の大人のラブ・コメディ。ジャズとバロックをBGMにする音楽のセンスもいいと思います。
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心の中をつぶさに言葉にしようとする饒舌さが彼らしい。うまく心の中をセリフにできているようでも、考えていることと行動は全然違ってしまう所とか、思いをとげたのに後悔してしまう所とか…。男と女はなかなか思うようにいかない。映画はこういうのを第3者目線で見れるからおもしろいし、密かに共感もする。共感する自分が好ましくもあり、ダメにも思える。
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ウディ・アレン本人は、ハンナの元ダンナ役で登場しますが、乏精子症のようで、些細な病気の診断結果に絶望の淵に突き落とされる男で、笑えます。それでも、ラストはほんわかしたムードで収まるので、作品全体の印象はかなりいいのではないでしょうか。
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ウディ・アレン作品は、セリフの洪水の中に知識やウンチクがさりげなく詰まっているから、ストーリーとは別な所でおもしろいんだよね。今回は「ソクラテスはホモだった。そんな男の言葉なんか信じられない」的な、人生に悩み始める男の独り言が記憶に残りました。ほー!そうだったの。30年以上前の作品なのでLGBTのことなど気にしてませ~ん。どうでもよい感想でした。