そもそもガンダムWは一部界隈のネタとしてしか知らないので話の流れはCV大塚明夫のナレでなんとなくつかむ程度という体たらく。じゃあなんで観たのか、と言われると「なんとなく」以外にないのですが。
まあ腐女子のお姉さんがたの琴線に触れやすいキャラクターであることはよくわかるのだけれど、それってやっぱホモソーシャルの裏返しというか、カウンターというか、視座の逆転としてBLってあるんじゃないかと思う。
だから枝分かれ眉毛お嬢様と群衆の場面(私の知ってる男はあそこに~の箇所)というのは、「男性だって辛いんだ!」という居直りもとい逆切れ(いや、正当な怒りではあるのですが)というかやけくそ魂を煽っているように見える。
作り手のイデオローグの表現としては正しいのだろうけれど、見事に男しかいないのがもはや絵面としてはギャグであり、そういったシュールさというのは多分このガンダムには通底してあるのだと思う(お前を殺す(デデン)、とか)
不殺や兵器(ガンダム)の否定、というのがテレビシリーズを全く見ていないのでどの程度の思いによるのかというのがあまり推し量れないのですが、ビッグボス的な思想を垣間見せるキャラクターがいたり、この90年代末期の停滞・諦念のモードの中にあって、どちらかといえば夕方アニメ的な(夕方のアニメなんだろうけど)児戯的な・・・と書くと意地が悪く聞こえるけれど、そうではなくてある種の無邪気さみたいなものがしっかりとあって、けれどやっぱり90年代のモードとしてのダウナーさも取り込んだ結果としてのあのオチなのではないかと思う。
つまり、この映画は割と真摯なのではないかと、完全なる部外者から見て思ったり。