鍋山和弥

HEROの鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

HERO(2002年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

この作品のタイトルは、『HERO』。英雄という意味だが、この作品は、英雄とは?と考えさせられる作品と、なっている。物語は、『無名』、『残剣』、『飛雪』が、中心となっており、『無名』と『秦王』の対話で、描かれている。今作の、刺客である、『無名』は、秦の役人であるが、元は、趙の人間。秦に、家族を、殺された復讐心から、剣の腕を、磨いた。正に、『怨みの剣』。磨かれた、その剣は、10歩以内であれば、確実に、相手を殺す、『十歩必殺』。『無名』が、十歩以内に、近付くため、『長空』、『飛雪』、『残剣』を、殺したという、手柄が、必要であった。そのため、その『長空』、『飛雪』、『残剣』は、協力するという、形になるが、『残剣』は、むしろ、『秦王』を、殺してはならないと、『無名』に、訴える。理由は、本当の、平和のため、秦が、天下統一を、しなければ、ならないからだ。目の前の、復讐のため、大勢の犠牲を、出してはならない。犠牲を、最小限に、抑えるには、秦の天下統一だ。そう訴えた。歴史上、『秦王』は、暴君とされている。この作品では、『秦王』は、暴君と、誤解されている、人格者として、描かれている。もしかしたら、歴史上の史実が、全てではないのかも、知れませんね。平和のため、天下統一を目指す、『秦王』。その『秦王』の、心中を、察した『残剣』。『秦王』と『残剣』の心中を察し、復讐を、思いとどまった『無名』。果たして、誰が、『英雄』だったのでしょう?みんな、英雄に、してしまいたいですね。歴史上、史実に、現れない、こんな英雄が、どれ程いたのか?真の英雄は、表に出ないのかも、しれませんね。
鍋山和弥

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