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アンノウンのRenのレビュー・感想・評価

アンノウン(2011年製作の映画)
3.5
This is サスペンス。スコアは微妙だが普通に面白い。リーアム・ニーソンに思い入れは全く無いのでそこへは言及しないが、その加点無しにしてもジャンル映画としてちゃんと観られた。

事故後目が覚めると記憶は曖昧、さらに妻には忘れられ、自分の名を名乗るまるで別人の男が現れる。『メメント』のような "自分って誰だ" 映画として幕を開け、一気に観客に主人公・マーティンの追体験をさせていく。
自分の記憶がヘンなのか?周りが全員グルなのか?それとも....?「自分が正気ではないかもしれない」と気がつくことが何より怖い、ということを上手くダシに使って観客を巻き込んでいく語り口。

終盤のツイストで、ああそういう話か、となってしまったのは正直私も他の人と同じくで、風呂敷のデカさの割に中身はそこまで大きくなかったみたいな心寂しさはあった。でも中盤〜後半に見られる物語上不要とも思えるクラッシュやホラー的ライティングなどのサービス精神はありがとうだし、決して貶すような映画ではないはずだと思いたい。
どんでん返しというよりも、割とじわじわと丁寧に真相へ向かって謎が解かれていく手触りの話運びなので、騙されの快感はそこまで無く。

「記憶喪失」「尾行・追跡・潜入」「カーチェイス」「肉弾アクション」と美味しい要素を一つひとつ抜かりなく盛り込んだサスペンスとして満足な一作だった。粗を探せば、ん?となるところもあるけど、個人的にはこのくらい大味な作品にそこまでガチガチな構造はハナから期待していないし、ちゃんと吃驚させたいところで吃驚させられていたのでこれで良いのだと思う。

【余談】海外旅行の際は、パスポートはケースに入れ、バッグか衣服とチェーンで繋ぐかして肌身離さず持っておくのが吉。



《⚠️以下、ネタバレ有り⚠️》









その他、
○ プロの暗殺者がパスポート空港に忘れる?何そのケアレスミス。ドジっ子。ギャップ萌え狙った?
○ 尾行してる奴が電車に間に合わないのはダサい。
○ 爆発の衝撃で暗殺の武術を思い出す。都合良すぎ。ここは相当なパワープレイ。
○ 暗殺者だった頃の経験だけを思い出して人格だけは良い方向に変化するなんてことあるの?
○ 韓国映画『The Witch/魔女』を思い出した。
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