未島夏

十二人の怒れる男の未島夏のレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
3.9
逆境の妙。
圧倒的多数派であった有罪側の意見に綻びの見える瞬間が、真実に手を伸ばす姿を体現するかの如く光明となり捉えられる。

マジョリティが正義とされる社会体質を精悍に牽制する様な、限られたシークエンスから遺憾無く振るわれる脚本の剛腕。

壮絶な議論の末にあるラストシーン。何気無い社交辞令的な台詞を導入では無くあえて葛藤を抜けたラストに言わせるのが素晴らしい。
未島夏

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