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八月のクリスマスのyuuuumiのレビュー・感想・評価

八月のクリスマス(1998年製作の映画)
3.8
ソウルで小さな写真館を経営する余命僅かなジョンウォン(ハン・ソッキュ)は、お店にやってきたタリム(シム・ウナ)と出会う。

優しいギターやピアノの音色とともに紡ぎ出される日常生活が淡々と描かれていきます。
毎日仕事して、必要な買い物をして、掃除して、食事をする。鍋料理のために目の前で魚をさばいてもらい、新鮮な魚を食べる。
何でもない日常がこんなにも贅沢なことなんだと、ふと気付かせてくれる。

『こんな風に笑って過ごせる日々があと何日残っているだろう』というセリフに悲しみが押し寄せる。
今日の出来事は明日になれば過去になる。今までどれほどの出来事が思い出になったのだろう。

人の人生は天気と同じ。晴れの日は清々しい気分になれるし、優しい雨の時もあれば、雷の鳴り響く激しい雨の時もある。この作品を天気に例えるなら、シトシトと降る雨のよう。

言葉にしない、胸に秘めた淡い想いを描いた優しい物語でした。
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