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耳をすませばの一のレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
4.0
「好きなひとが、できました。」

47歳という若さでこの世を去った天才アニメーター近藤喜文による最初で最後の監督作

宮崎駿や高畑勲のアニメーターを長年務め、ジブリ設立前から支えてきた影の立役者です

小さい頃に何繰り返し度も見てる作品ですが、こちらも断片的な記憶しかありません
ただ、テーマソングのカントリー・ロードと「やな奴!やな奴!やな奴!」と連呼するシーンだけはなぜか鮮明に覚えていたし、そんなこんなで久しぶりに観る『耳をすませば』は格別に良かった

原作が少女漫画というのもあってか、ストーリーに関しては至ってシンプルなボーイミーツガールなんだけど、やっぱりジブリは何枚もその上手を行ってくれる安心感

まず月島雫という主人公のキャラクターが尋常じゃなく魅力的というのも大きい
ピュアで天真爛漫で友だち思いで優しい
何ていい子なんだ…

何てこと無い日常描写の巧さが随所で光り、誰もが経験してきた中学生のキラキラとした青春も、淡くて脆くて甘酸っぱい青春も全部が詰まってる

なによりジブリ特有の美しい街並みや照れ顔可愛さを存分に堪能できる
人の温かみを感じられる絵のタッチもたまらない

それにしても図書カードからはじまる恋ってなんてロマンチックなんだろう
そもそも図書カード自体懐かしすぎて泣けてくる

カントリー・ロードが名曲すぎて反射的に泣いちゃうっていうのもあるけど本名陽子さんの声もめちゃくちゃ映画に合ってるし、独自の訳にした日本語の歌詞も桁違いに素晴らしい
エンドロールも良いけど、やはり劇中の照れながらもバイオリンに合わせておじいちゃんたちとセッションして歌うシーンがめちゃくちゃ好き

高橋一生に関しては全く本人の声には聞こえなかったけど、やっぱり器用でなにをしても上手いから凄い

こちらも定期的に観たくなる名作ですね

〈 Rotten Tomatoes 🍅94% 🍿90% 〉
〈 IMDb 7.9 / Metascore 75 / Letterboxd 4.1 〉

2021 自宅鑑賞 No.251
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