「美しい」とは、「真実」とは程遠い…
傲慢な美しさをブッた切る!秘めたる狂気を露わにするマッド・コメディ
奥深くて、ものすごく面白かった!
コミカルさと尖ったユーモアが散りばめられており、不意にサスペンス感を漂わせたりしながら人々の心の奥に眠る狂気を、次第に露わにしていく…
独特の映画の構成であったりメタファー、画面の映し方など常に目が離せなくなる。
妻と娘から侮蔑され疎外されている、冴えない中年男性役に名優ケヴィンスペイシー。
彼の演技力の圧倒的な高さにただただ感動します。ひとつひとつの仕草がとても魅力的かつリアリティがあり目を引き、そして話が進むにつれ、演技がどんどんパワフルで奥深くなっていきます。
内に秘めたる狂気、それがほんの些細なことで目を覚ましていく。それも燃え滾るように…
まるで「ファイトクラブ」のような、哲学とアドレナリンを感じながら観ることができました。
美しい庭と家にすむ家族、その中身は崩壊して、関係もとっくに飽和している。
「アメリカンビューティ」の名のごとく、見た目が美しいものだけが美しいものなのではない、という。
何が美しいか?というのを決めるのは自分であり、自分が美しいと思うもの、それを手にした時に初めて、ほんとうに美しいと思えるものに出会えるのかもしれませんね。