しゅん

浪花の恋の物語のしゅんのレビュー・感想・評価

浪花の恋の物語(1959年製作の映画)
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斜めの奥行きの中で人を配置させ、見ている人間と見られている人間、あるいは関係ないことをしている人間を同時に映す。物語の第三者を映すような撮影は、破滅に突き進む男女の道行をすぐ横で見つめる近松門左衛門(片岡千恵蔵)へと焦点が移る脚本の構造と一致している。悪い奴らの顔がマジで悪くて凄い。

内田吐夢といえば満州で甘粕正彦の自決現場に立ち会い、炭坑労働を経験し、敗戦から八年日本へ帰れなかった人だけど、そうした人の重々しさを、あっさりとした悲劇に終わらせない本作の後半の展開から感じる。
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