LalaーMukuーMerry

学校IIIのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

学校III(1998年製作の映画)
4.4
不況のためリストラされた中年の大人たち。子供をかかえて人生の路頭に迷い始めた彼らが職を得るために資格をとろうと学ぶ技術専門学校(授業料無料の行政施策)。その中のビル管理科のクラスが舞台のお話。
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夫に先立たれ、高校生くらいの自閉症の息子と二人で暮らしている母親(=大竹しのぶ)と、妻・息子と別居中で大企業の管理職という前職のプライドのせいで、今の境遇となかなか折り合いがつけられないでいる父親(=小林稔侍)が、次第に惹かれあっていくと言うお話です。
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誰でもそれまでの人生を抱えているから、急に生き方を変えられるわけではない。運命のいたずらというべきか、これが大人の世界の現実というべきか、ストーリーの結末はとても切ないです。
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でもクラスの“生徒”たちのまとまりの良さや、思いやりの心など、とても良いメッセージが響いてくる優れた作品でした。さすが山田洋次監督。大竹しのぶもとてもよかったです。