Melko

ドアーズのMelkoのレビュー・感想・評価

ドアーズ(1991年製作の映画)
3.7
”I’m a lizard king. I can do anything.”

「苦痛が友達と言いながら、お前は逃げてる」

「安らぎを得た?その瞬間は最高の気分だった?あなたの思っていたように…」

点数は、純粋にこの映画に対して。
狂乱の60年代後半を体現するかのようなヒッピー達を演じた大量のエキストラたち
女は気前良く脱ぐ脱ぐ!まさにポロリ祭り
ザ・ドアーズの各メンバーもそれぞれ特徴捉えてて似ていた。
とりわけやはりボーカル ジム・モリソンを演じたヴァルキルマーの寄せ具合がハンパない。というかもうほぼ本人。
ボヘラプのラミ・マレックも真っ青レベルで、顔も髪型も体型も、そして歌声までもがソックリ。
カルト的な人気で一部の客に人気が出た後、その精神性や音楽性が時代にフィットして寵児になったものの、あるライブでモリソンが事件を起こし、表舞台から消えるザ・ドアーズ。その原因となった狂気のライブの再現具合もエグいし(エキストラの量と人の熱量という意味で)、
それに飲み込まれていく、最初はちょっと様子のおかしいにいちゃんだったのが、とっても様子のおかしいおじさんに変貌を遂げていくモリソンを演じ切ったヴァルキルマーがホントにすごかった。
アメリカ人にとってはこのモリソンが有名すぎるのか、バンド結成に至るまでの話や、モリソン自身の家族構成や幼少期などについてはほとんど触れられない。その代わりライブシーンがたっぷり見れたのだけど………
親もほぼ聴かず、私自身も全く通ってこなかったザ・ドアーズ、悲しいぐらいに彼らの音楽が私には何一つ響かなかった。こんなに冷めた目で見てしまったロック音楽の映画はない。ただただ、私に合わない。
だから、いかにキャストがバンドに似ているかとか、すごいスケールの撮影だな、とか、そんな事に集中することでなんとか見切った。作品作りが中途半端だったなら、途中で見るのやめてたかも知れない。
「4人で決めるって言ったじゃん!」
「殺せるもんなら殺してみろ!」など、精神の自由と解放を求めて叫ぶモリソン、シラフの瞬間なんてなかったんじゃないか、ずっと酒に酔ってるかクスリキメてるか。
こんな人が周りにいたら迷惑極まりない。
愛する彼女のことも何度も裏切り、自分で自分のコントロールをできないオトナ子供。彼は詩人であり、歌手ではない。
でも、なんかやたら難しい表現を並べ立ててるだけで、私には何も刺さらなかった。
危うい時代に生きた多感な若者と奇跡的にマッチしたからこその成功だったんだろうと感じた。

パトリシアはウザかったなー。邪魔者なのよああいう女は。1番にはなれないのよ。

シラケる場面も多い反面、突然挟まるシーンに「ブフッ」と笑わされる。笑
酩酊してうまく歌えないモリソン、突然声が出た!と思ったら、カメラが回り込むと、パムがお口でご奉仕中…おいおい(苦笑)
2時間遅刻してきたモリソンを散々こき下ろすプロモーターの額に、モリソンがブンブン振り回し投げたマイクがクリーンヒット!とか。笑
緊張と緩和…?

ハスキーボイスのおにいさんカッコいいな〜と思ったら、クロウのトップダラー!マイケルウィンコットだ!なんか嬉しい

ミュージシャンのソックリ映画では1番のソックリ加減ではあった。
死ぬべくして死んだ人なんだな、と思わされる生き方だった。
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